剣道二段の昇段審査に必要な日本剣道形の4本目、5本目のポイントを動画つきで説明します。
日本剣道形は奥が深いので、全部を理解して完璧にできるようになるのはものすごく難しいですが、
二段の審査であれば、ポイントをしっかりおさえておけば大丈夫です。
日本剣道形4本目、5本目のポイント(二段の昇段審査用・動画付きで解説)
日本剣道形の注意するべき共通のポイント6つ
日本剣道形の共通のポイントは以下の6つです。
・大きな声(気勢)
・すり足でつま先を上げない
・相手の目を見る(目付け)
・打太刀が先に動く
・急がない
・残心をとる
日本剣道形の注意するべき共通ポイントは別記事で解説していますので、そちらをご確認ください。
日本剣道形をわかりやすく解説【動画で重要ポイントを総点検】
日本剣道形 4本目のポイント
日本剣道形の四本目は突き返し面です。
4本目あたりから、少しずつ難しくなります。
4本目の流れとポイント
・打太刀は八相の構え、仕太刀は脇構えに構えます。
・左足から小さく3歩進んで、お互いに左諸手上段に構え、正面を打ちます。
・お互いの木刀の「左しのぎ」が当たって、しのぎを削りながら中段の構えになり、一足一刀の間合いになります。このとき距離が近い(または近い)場合は打太刀が距離を調節します。
・中段に構えたあと、打太刀が刀を少し左にひねりながら相手の右肺を突き、「ヤァァ!」
・仕太刀はこの突きを左手を上に上げて刀を返して受け流し、開き足で左に移動して、打太刀の正面を打ち「トォォ!」
面を打ったときの仕太刀の足は左足が前、右足が後ろになります。
・残心をとってから、中段の構えに戻ります。
八相の構えと脇構えは普段の練習ではしない構えなので、ポイントを解説します。
最初のお互いの面は、面の高さに打ちます。
よくある間違いは
・上の方で切り結ぶ形になること(上の動画も高いです。もっと低い位置が正です)
・距離が近くなりすぎること
です。
距離が近いと、打太刀が間合いを調節するために下がらないといけないので、
最初の3歩は小さく、思ったよりも遠くから面を打つぐらいで丁度いいです。
八相の構え(打太刀)
・左諸手上段を取るように左足を前に出して大きく構えます。
・左諸手上段に構える途中で右手を下げて、右手はあごの右側、こぶし一個分右に来るように構えます。
左手は体の中心あたり少し右側です。(解説書では鍔(つば)が口の高さになるようにとありますが、難しいので右手に読みかえています。)
・自分から見ると、刀は右に10度ぐらい、後ろに45度かたむいているように構えます。
・右肘は少し右側に広げるように構えます。(脇を閉めない)
脇構え(仕太刀)
・右足を引きながら、右手が耳の横辺りを通って、刀身を体の後ろに隠します。
・動画では剣先が膝よりも高いですが、正しくはもっと低く、ひざより下です。
(これは最近先生に指摘されました。動画の当時は知りませんでした。。)
・半身に構えて、構えたときの右足は右を向いています。
日本剣道形 5本目のポイント
日本剣道形5本目は面すりあげ面です。
これも意外と難しいです。
5本目の流れとポイント
・打太刀は左諸手上段、仕太刀は平正眼に構えます。
・打太刀は左足から、仕太刀は右足から3歩進んで、
・打太刀は右足で踏み込んで、あごまで切り下げるように相手の正面を打ち、「ヤァァ!」
・仕太刀は左足を引きながら面を左しのぎですり上げて面を打ち「トォォ!」
・仕太刀は右足を引きながら、剣先を打太刀の顔の中心に合わせ、
・そのまま右足を引き左諸手上段に構え、残心。
・中段に戻り、打太刀は左足から小さく3歩下がり、これに合わせて仕太刀は右足から3歩進む。
よくある間違いは、
・打太刀の面はあごまで切るように打つので、1本目とは違います。
・打太刀の面が仕太刀の面に届いていない(上の動画も届いていないのでダメです。もっと近間から打つ必要があります)
・仕太刀はできるだけ前の方で、すりあげるようにします。(実践でも同じです)
・仕太刀はすりあげたとき、左拳の下から相手の面が見えるぐらいまで振り上げます。
・残心の左諸手上段に構えるときは急がないようにゆっくり構えます。
平正眼の構えは上段に対する中段の構えの一つで、試合などでも使います。
平正眼の構え
・剣先を相手の左拳に合わせます。
・左手は体の中心、右手が少し右になります。(少し半身に構えるイメージ)
・刃は下をむいています。
すりあげ面のコツ(普段の稽古でも同じです)
・右手が左にふくらんだ三日月の形にそって振り上がって、左しのぎで相手の刀がすり上がるようにします。
・刀は少し右にひねっておくと、左のしのぎが使いやすいです。
・払いにならないように、剣先は相手の中心に向いているようにします。
・すりあげのときは右手と一緒に左手も少しだけ左にふくらむように振り上げるようにするとやりやすいです。
日本剣道形4本目と5本目のポイント(二段の昇段審査用・動画付きで解説)まとめ
日本剣道形の4本目と5本目のポイントを解説しました。
四本目、五本目とも少し難しくなってきますね。
二段の審査では一本目から五本目までやることになるので、しっかりできるようになっておきましょう。
日本剣道形の技は、剣道の技がぎゅっと詰まっています。
しっかり練習しておくと、普段の稽古にも差が出てきます。
4本目の注意点(ポイント)は
・最初の三歩は小さく
・面の高さを打つ
・打太刀は突きをかわすとき、左手を思い切って上に上げてかわします。
5本目の注意点(ポイント)は
・打太刀はあごまで切るつもりで打つ
・すりあげは前の方で
です。
日本剣道形は奥が深いので、僕もまだまだ修行中の身ですが、
二段の審査なら上記をしっかり抑えておけば大丈夫です。
特にすり上げ技は審査の実技でも使えると、とてもポイントが高いです。
竹刀でできるようになっていれば、形でもできます。
普段の基本稽古や地稽古でもしっかり練習しておきましょう。
日本剣道形の総点検はこちらからどうぞ。
日本剣道形をわかりやすく解説【動画で重要ポイントを総点検】