この記事では剣道初心者の方のための知っておくべき剣道の基本のチェックポイントを解説します。
超基礎的なことから、構えや攻めなどは基本なのですが、意外と教えてもらえないことまで一度確認しておきましょう。
剣道4段の筆者が剣道を始めたばかりの人たち指導するときにチェックしていた内容です。
剣道上達への近道になるので、初心者の方は必見です。
剣道の基本のチェックポイント総点検【超基礎から上達への近道】
「剣道に近道なんかない」というお考えの先生もいらっしゃいますが、きちんと教えてあげればもっと早く上達するのに・・と思うことが何度もありました。
剣道の基本のチェックポイント総点検のメニューは以下です。
超基礎
・竹刀の持ち方(握り方)
・構え
・足さばき
基礎
・素振り
・打ち
基本
・攻め
・一本打ちの技
・二本打の技
・払い技
応用
・応じ技
・地稽古
剣道の超基礎【実はここでつまづいている人が7割。3つのポイント】
剣道の超基礎的なチェックポイントです。
1級保有者や有段者でもできていない人もいるので、初心者のうちにやっつけておきましょう。
僕の印象では初心者の7割の人はここでつまづいていて、上達が遅くなっています。
竹刀の持ち方(握り方)
竹刀の持ち方が間違っていると、いくら練習してもムダになります。
ここで点検しておきましょう。
ポイントは、
・構えたときに両手の親指が下をむいている
・斜めに柔らかく握る
・左手でしっかり支える(右手は軽く添える)
です。
特に左手が横向きになっている人が多いです。
竹刀は上から握ってください。
横握りだと手の内が効かなくなり、いくら練習してもうまくなりません。
竹刀の握り方の詳細はこちらの記事をどうぞ
竹刀の握り方【持ち方が間違っていると絶対に上達できません】
中段の構えのポイント
構えがしっかり出来ていれば、攻めにつながります。
構えのポイントは
・左のかかとは3センチ、右のかかとも1ミリぐらいいつも浮かせておく(つま先で立つ)
・つま先は進行方向に向ける(ガニ股はケガのもとです)
・左脇を少ししめる
です。
特に左脇が開いていると、構えがゆるくなって竹刀がグラグラするので、
少ししめておきましょう。
中段の構えについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
剣道の構え【中段の構え8つのポイント。初心者〜中級者向け】
足さばき
足さばきも超重要です。
剣道の足さばきは送り足、開き足、歩み足、つぎ足の4種類です。
送り足の応用が踏み込み足です。
ポイントは
・つま先ですり足
・左足は右足を超えないように送り足
・踏み込みは足の裏全体で着地する(かかとから着地すると痛い)
です。
足さばきについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
剣道の足さばき4種類とは?【送り足、開き足、継ぎ足、歩み足】
剣道の基礎【面をつける前にできていないとまずい2つのポイント】
剣道の基礎的なチェックポイントです。
防具を付ける前にここまでは練習しますが、実は有段者になってもいくらでも改善の余地があるほど、奥が深いです。
素振りの上達のポイント
素振りの上達のポイントは
・左手メインで振ること
・一拍子で打つこと
・打ったときに両腕が伸びていること
・手の内が効いていること
の4点です。
左手メインで振るというのは、
右手で引っ張り上げたり、振り下ろしたりしないという意味です。
練習の後、右手が疲れている人は要注意です。
「左手一本で振る」という意味ではないですよ。
一拍子で打つというのは、
振り上げてから振り下ろすまでの時間をできるだけ短くすることです。
上級者の人でもこれをできている人は少ないです。
打ったときに両腕が伸びているというのは、
打ったときに右手をしっかり伸ばして、左手がほとんど曲がっていない状態をつくることです。
手の内が効いているというのは、
打ったときに竹刀が相手の面に届くように手首を使って打っていて、竹刀がぴしっと止まる状態です。
このためには竹刀が上から握れている必要があります。
竹刀がしっかり止まらない人は竹刀の握りを見直してください。
素振りについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
剣道の素振り上達のコツ、チェックポイントの総点検【初心者脱出!】
打ち(打突)のポイント
相手を打つ時のポイントは
・右足の踏み込みと打ちは同時か打ちが先
・小さく冴えのある打ち(打突)
・打ったら抜けて、残心
の3つです。
この3つができているだけでかなり上達して見えるようになります。
右足の踏み込みと打ちのタイミング
最初は踏み込みと打ちが同時になるようにしましょう。
さらに、声(メン!)も同時に出します。(気剣体の一致と言います)
初心者のうちは焦ると踏み込み→打ちの順番になってしまいますが、これでは何万本打っても上達しません。有段者でもこれができていない人が多いので残念です。
むしろ逆で、上級者の打ちをスローで見ると打突→踏み込みの順番になっています。
小さく冴えのある打ち
打ったときに「パン!」と音がなる打ちのことです。できるだけ、小さく打てるように練習しましょう。
手の内が効いた打ちができていると、打った後、竹刀が跳ね返るような動きになり、、打たれてもあまり痛くありません。空振りしてもすぐに構えの位置にもどれるので、スキができにくくなります。
逆に、打った後、跳ね返ってこない打ちだと、打たれると痛く、空振りすると地面の方まで竹刀の剣先が行ってしまって、スキができて打たれてしまいます。
打ったら抜けて、残心
特に子供や初心者の人は要注意です。
打ったら、相手の横を抜けて、素早く振り返って構えます。
残心=次に打つ準備ができている状態になることです。
一本になる打ちに仕上げていく方法はこちらの記事で解説しています。
剣道の有効打突の要素と要件【今のはなんで一本じゃないの?】
剣道の基本【奥が深い世界です。ポイントは3つ】
基本なんですが、あまりしっかり教えてくれません。
知っているのと知らないのとで差が出ます。
攻め
剣道の永遠のテーマの一つ、攻めです。
剣道の攻めは、相手を崩したり、相手に打たせて一本を取るためのものです。
そのためには、
・竹刀で中心を取りながら
・相手の間合いに入って
・相手に「打たれる!」と思わせること
ができればOKです。
竹刀で中心を取る
相手の竹刀が自分に向かっていて、自分の竹刀がそれていたら、打たれそうな感じがしますよね。
これを相手に感じてもらいます。
相手の間合いに入る
相手の間合い=相手が打てると思う位置です。
簡単に言うと、相手の打ちが届くところまで一歩入ります。
すると相手は、「打ってくるかも!」と警戒したり、「打てそう!」と狙ってきます。
我慢できなくなって打ってきたら、出鼻を狙ったり、応じ技で迎え打ちます。
相手に「打たれる!」と思わせる
打たれる!と思ったら、竹刀を上げてメンをガードしたり、竹刀を下げて小手をガードしたりします。
すると、スキができるので、竹刀が上がっていればコテ、竹刀が下がっていればメンを狙いやすくなります。
攻めについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
剣道の攻めを初心者向けに3つのポイントを解説します【攻めが弱いと打てません】
一本打ちの技
メン、コテ、ドウ、ツキなどの一本打ちの技です。
ポイントは
・中心をしっかり攻める
・一足一刀の間合いまで入って打つ
・ギリギリまで竹刀を上げないで、打つ
の3点です。
二本打ちの技
木刀による基本技稽古法の2つめに出てくる二本打ちの技です。
コテメン、コテドウ、メンメンなどがあります。
ポイントは
・左足の引きつけを超早くする
・左足を引きつけて2本目を打つ
です。
左足を惹きつけずに、右足の踏み込みだけで二本打つ技もありますが、それだけでは後ろに逃げられたときに打てないので、必ず左足をひきつけて2本目を打つようにしてください。
払い技
木刀による基本技稽古法の3つめ、払い技です。
・表から払って打つ
・裏から払って打つ
・上から払って打つ
など、相手の竹刀が中心から動かない場合に使います。
払い技は一歩で払いながら打つ方法と、
払う時に一歩、打つときに一歩の2本打ちの方法があります。
両方できるようになっておくと技のバリエーションが増えます。
払う以外にも
相手の竹刀を抑えて打つ、抑え技、
相手の竹刀を巻いて逸らせて打つ、巻技などもあります。
剣道の応用
ここからは応用です。
応じ技
応じ技も色々ありますが、初心者の方におすすめの代表的な技を紹介します。
・出鼻メン
・メン返しドウ
・メンすり上げメン
出鼻メン
打った後姿勢が崩れにくくて、一本になりやすいので初心者の方にもおすすめの技です。
やり方
・中心を取りながら、相手の間合いに入る
・相手が我慢できずにメンを打ってくタイミングを狙って、メンを打つ
相手はあなたのメンに届くように、大きく一歩踏み出してメンを打ちます。
あなたは近づいてくる相手に合わせて、短く一歩踏み出してメンを打ちます。
短いほうが早く打てるので、相手のメン打ちが届く前にメンが決まります。
メン返しドウ
返し技はこちらの動きが少し遅れても打てるので、反応速度があまり早くない初心者の方でも打ちやすい技です。
やり方
・中心を取りながら相手の拳を攻めるように竹刀を少し下げながら、相手の間合いに入ります。
・相手がメンを狙ってきたところを、できるだけ前の方で竹刀で受け
・素早く手首を返してドウを打ちます。
メンすり上げメン
ちょっと難易度が高いですが、竹刀が真ん中を通るので、一本になりやすい技です。
やり方
・中心を攻めながら、相手の拳を攻めるように竹刀を少し低めにして、相手の間合いに入ります。
・相手がメンを打ってきたところをできるだけ前の方ですりあげます。
・すりあげるときは、竹刀を少し開いて、半月を描くようにすり上げます。
・相手の竹刀がそれた瞬間、素早くメンを打ちます。
できるだけ前の方ですりあげて、素早く打てば前に出ながら打てます。
相手の動きが早くて間に合わないときは少し下がりながら打ってもOKです。
すりあげは表からと裏からの両方があります。
地稽古で技を試す、使う
基本稽古で練習した技は地稽古で使って自分のものにしていきましょう。
基本稽古のときにしっかり攻めや間合いを意識して練習しておくことが重要です。
技は知っているだけでは使えるようにならないので、
自分と同じぐらいのレベルの人とやる時は、色々試すチャンスです。
毎回同じ技だけだと相手に読まれてしまいます。
どんどん使って技のバリエーションを増やしていきましょう。
特に、応じ技は地稽古や試合で使えるようにするには何千回も練習が必要です。
打たれてもOKなので、どんどんトライしてくださいね!