剣道の「攻め」、難しいですね。
この記事では初心者向けに剣道の攻めについて解説します。
攻めは剣道の永遠のテーマです。知らないと当てっこ剣道から抜け出せません。
僕もずっと攻めのない剣道をしていましたが、やっとできるようになってきました。
剣道の攻めがよくわからないという方は必見です!
逆に攻めがないと、遠くから飛び込む打ちだけになってしまいます。
スピードと飛ぶ距離がないと、なかなか一本になりません。
相手も崩れにくいので、すぐにガードされたり、よけられたり、返されたりしてしまいます。
剣道の攻めを初心者向けに3つのポイントを解説します
よく剣道の先生から「攻めがないね」「もっと攻めろ」と言われるけど、
それはどうすれば良いの?という疑問にお答えします。
・剣道の攻めって何なの?
・剣道の攻めのコツ
・剣道の攻めの種類
について順番にみていきましょう。
剣道の攻めって何なのか?
剣道の攻めって何なのか、
簡単にいうと、相手の心を揺さぶり、構えを崩すことです。
上の動画の左側が僕です。
右足でぐっと攻めると、相手が警戒して思わず竹刀を上げて、構えが崩れました。
攻めが効いているということです。
剣道の攻めは相手が、
・「打たれる!怖い!」
・「打てそう!今だ!」
と思う動きを相手に見せること
です。
打たれる!怖い!と相手が思ってくれたら、チャンスです。
相手は防御したり、慌てて打ってきたりしますので、
竹刀が上がったところをねらって打つことができます。
打てそう!と相手に思わせることができたら、これもチャンスです。
打ち間に入ると相手はあなたの誘いに乗って我慢できずに打ってきますので、
相手の竹刀が上がった瞬間をねらって打つことができます。
えー、そんなにうまくいく?
と思うかもしれませんが、あなたが剣道の先生に打たれてしまうのは、ほとんどが
・打たれる!と思って防御したり、思わず打って出た瞬間か、
・打てる!と思って打たされている時が大半だと思います。
参考に、下の動画も僕の試合での様子です。
左が僕です。
下を攻めたところで相手が打ってきた瞬間に出鼻小手で一本とれました。
スローモーションで見るとこうなっています。
では具体的にどうすれば良いのか、剣道の攻めのコツを解説します。
剣道の攻めのコツ(怖い攻めとは?)
剣道の攻めのコツは、
・竹刀で相手の中心をとって相手の構えを崩すこと
・相手よりも先に攻め入ること
・どこを打ってくるかわからないようにすること
・いつでも打てる状態を作ること
です。
これも順番にみていきましょう。
中心を取って攻め、相手の構えを崩すには?
こちらも僕の試合での一コマです。左が僕です。
中心をとって相手を攻めることで相手の構えが崩れます。
攻めて相手を崩していくには、自分の構えがしっかりしていることが重要です。
中段の構えの形のまま左手で真ん中を取るようにします。
右手でぐいっと竹刀を押すのではないので注意してくださいね。
左手で相手の構えを崩します。
左脇を少ししめて左腕を体につけて、左手がグラグラしないようにして、
一歩入っていく時に相手の竹刀を中心からほんの少しだけ、押しのけるイメージです。
竹刀1本分ぐらい相手の竹刀が中心からはずれたらOKです。
自分の竹刀が相手ののどに向いていて、
相手の竹刀が自分ののどに向いていない形が作れたらOKです。
中心が取れていれば、自分の打ちが真ん中を通るので、
あい面になった時にも勝つことができます。
相手の構えが崩れているのに相手が打ってこない時は、こちらから打ち込めます。
真ん中を責めるための基本は中段の構えです。
中段の構えについては
剣道の構え【中段の構え8つのポイント。初心者〜中級者向け】
の記事で詳しく解説しています。
相手よりも先に攻め入ること
相手よりも先に攻めるというのは、簡単にいうと
相手が入ってくる前に半歩前に出て、自分の間合いに入ること
です。
自分の間合い=自分の一足一刀の間合いです。
相手に先に入られてしまうと、後手に回ってしまいます。
自分から先に前に出ることを意識してくださいね。
前に出るのは打たれそうな気がして怖いですが、勇気を出して前に出ましょう。
どこを打ってくるかわからないようにする
毎回同じパターンだと相手に読まれてしまうので、
タイミングを変えたり、攻めるところや打つところを変えたりして相手に警戒心を持たせましょう。
・面をガードしたら小手や胴を打たれるかもしれない
・小手をガードしたら面をねらわれそう
・すぐ打ってくるかもしれないし、打ってこないかもしれない
と相手が感じるようにしむけます。
すると、あなたが攻めていくと相手は「怖い」と感じるようになります。
いつでも打てる状態を作ること
攻めて一歩入ったら、いつでも打てる状態を作ります。
いつでも打てるというのは「左足の準備ができている状態」のことです。
左足で地面を蹴っていつでも飛び込める状態にするには、
左足のかかとが少し上がっている状態をキープしてください。
左足のかかとがべたっと地面についていると、すぐに飛び込めません。
さらに、左足のひざはあまり曲げないようにします。
「ひかがみを張る」といいます。
膝を曲げているとすぐに飛び込めません。
相手が動きはじめる瞬間(おこり)をねらって打ち込みます。
また、相手の構えが崩れているのに相手が打ってこない時は、こちらから打ち込むことができます。
踏み込みには左足の蹴りが必須です。
踏み込みの足さばきは
剣道の踏み込み足【初心者向けの練習方法と注意点を解説します】
の記事で詳しく解説しています。
剣道の攻めの種類
剣道の攻めには大きく分けると4種類あります。
・右から攻める(のどもとを攻める)
・左から攻める(のどもとを攻める)
・上を攻める(面を攻める)
・下を攻める(小手を攻める)
攻める場所が変わると
相手は「どこを打ってくるかわからない」と感じて、読まれにくくなります。
これに
・相手の中心を取る
・相手の竹刀をおさえる
・相手の竹刀を払う
・相手の竹刀を打ち落とす
というな竹刀の動きや足さばきをかけ合わせると、掛け算でバリエーションが増えます。
剣道の攻めの種類については
剣道の攻めの種類【攻め方のバリエーションの増やし方】
の記事で解説します。
このほかにも
・攻めて入っていくスピードを変える
・入ってから打つまでのタイミングを変える
と変化をつけることで、相手は「いつ打ってくるかわからない」と感じるようになります。
攻めができるようになると何ができるか?
攻めができるようになると、打突の機会を自分で作ることができるようになるので技が決まりやすくなります。(一本になりやすくなる)
攻めができないと、相手が打ってくるのに合わせて打つだけの「待ちの剣道」になってしまいます。
待ちの剣道では上達しません。
攻めがないと相手の構えは崩れていないので、技が決まりにくいです。
特に高校生以上だと、相手の構えが崩れていない場合は突きを打たれてしまいます。
剣道の攻めができるようになると、以下のようなことができるようになります。
・攻めて自分から打つ
・攻めて相手の打ちを誘って、応じ技や出ばな技で打つ
応じ技は特に攻めを使って相手の打ちを誘い出す技なので、
基本稽古の時から攻めを意識して練習しましょう。
相手を攻めて、打突の機会を作って有効打突を打てたら一本を取れます。
一本を取れる有効だとつについては、
剣道の有効打突の要素と要件【今のはなんで一本じゃないの?】
の記事で解説しています。
攻めても相手が全く動じない場合
地稽古などで攻めをやってみたけど、相手が全く動じない場合もあります。
相手にあなたの攻めが効いていないということですね。
特に実力差がある時はなかなか相手の心は動かせません。
相手に攻めが効かない場合は、動きを読まれている場合があります。
単調な攻めにならないようにパターンを変えて工夫してみてください。
最初は自分と実力が近い人に攻めが効いていれば、まずはOKです。
また、相手が動かなくても構えが崩れていれば(中心が取れていれば)迷わず打ちましょう。
剣道の攻め 初心者向けの解説まとめ
この記事では剣道の攻めについて解説しました。
ポイントは
・剣道の攻めは相手の心を揺さぶり、構えを崩すこと
・剣道の攻めのコツは中心を取って相手よりも先に一歩入ること
・剣道の攻めの種類は4種類。これに攻める場所やタイミングの組み合わせでバリエーションをつける
の3つでした。
相手の構えを崩すにはしっかりとした構えができていることが必要です。
剣道の攻めができるようになると、打突の機会を自分で作ることができるようになるので技が決まりやすく、一本が取れるようになります。
逆に攻めがないと、距離とスピードだけで戦うことになるので、相手が少し強くなるとたち打ちできません。
実力差が大きい時は攻めても相手の構えが全く崩れない場合がほとんどです。
高段者の先生の手元が上がるような攻めはなかなかできませんが、
どんどん仕掛けていきましょう。
単調な攻めにならないようにいろんな攻め方を使ってみてください。
打たれることを怖がっていては良い攻めはできません。
打たれると思いますが、攻めが効いてくると打てるタイミングが作れるようになります。
互角稽古の時にどんどん使ってみてくださいね。